自社開発企業から内定がもらえませんでした。
これからエンジニアを目指す方にとっては「SESにいくかどうか問題」はついて回りますよね。
結論から話すと、世間で言われている通りSESは第一に目指す場所ではないです。
まずは自社開発企業と呼ばれる企業を目指しましょう。
しかし、自社開発にこだわりすぎるあまりに、全然就職できないのはNGです。
それよりはSESのエンジニアになったほうがいいですよ。
今回は未経験からSESエンジニアになった僕が「業界のリアル」を紹介します。
何も知らないままエンジニアを目指すと就職後にとんでもない後悔をする可能性があります。
この記事を読んでSESエンジニアのメリット・デメリット、自社開発との比較をができるようになっておきましょう。
【この記事でわかること】
✔ 未経験からSESエンジニアになって辛かったこと
✔ 未経験からSESエンジニアになってよかったこと
✔ 自社開発とSESの選び方
【この記事の信頼性】
この記事を書いている僕はプログラミング未経験の状態からSESのエンジニアになりました。
その後に自社開発企業に転職し、現在はフリーランスエンジニアをやっています。
「SES」と「自社開発」の両方を体験しているので、ここではリアルな話を紹介します。
未経験からSESのエンジニアになってつらかったこと
働いていた方の感想が聞きたいです。
まずつらかったことを話します。
なんか最近では「SES」を叩きまくる人がいれば、そんなに悪くないと言う方もいて、これからエンジニアを目指す方は混乱しちゃいますよね。
僕自身の体験からリアルな話をしていきます。
まずは辛かったことからです。
そもそもSESとは
SESという言葉をあまり良く知っていない方は以下の画像を参考にしてみてください。
普通の大きい会社にスーツを着た人達があつまってパソコンを触っているような現場をイメージしてもらえばいいかと思います。
エンジニア界のスーツを着た派遣エンジニアという感じです。
ではさっそく僕がSES企業で働いていてつらかったことについて解説していきます。
①裁量権なさすぎ
まぁ未経験からエンジニアになりたてホヤホヤの身分なのに「仕事任せてくれや」というのも図々しいですが、それをわかった上でもマジで裁量権なかったです。
言われたものをそのまま作るという作業でしたね。
少しの提案もできませんでした。
ここがつらいかどうかは性格によると思います。
僕は、使ってもらえるサービスを考えて実装したい人間だったので全然スタイルが合いませんでした。
あと、最初のほうは完全に初心者だと舐められていて、全然仕事をもらえませんでした。
もらえたとしても、規模が小さかったり簡単すぎて1~2時間で終わるものばかりでしたね。
「はやく家に帰って自分の勉強がしたいなぁ」と思っていました。
②疲れ切ったおじさん
SESってなんかおじさんが多いんですよね。
ここでのおじさんは「疲れ切った、何もやる気をかんじることができないおじさん」です。
しかも全然仕事ができないので、仕事の分配が下手すぎたり、同じことを何回も繰り返している人もいました。
自分がいたチームのおじさん同士が怒鳴り合いで喧嘩をはじめたときもありました。
こんなおじさんエンジニアにはなりたくないと思いました。
とにかく「疲れている」&「やる気ない」&「性格悪い」おじさんがいました。
③成長を感じにくい
SESのエンジニアになって1ヶ月たったときに「楽だけど全然成長していないのでは?」と思い、ハッとしました。
あれだけ気合を入れて入社したのに、大した仕事もなく、成長も感じないまま1ヶ月たっていたのです。
そのときは焦りましたね。
SESのエンジニアになってしまうと、客先企業に仕事をうまくふってもらうことができないケースもあります。
僕がそのケースでした。
派遣されてきているのに、派遣先が仕事の準備ができていなくてうまく回っていなかったのです。
これは大企業で、細部のことを管理しにくかった&上司が無能すぎたの2つの要因があると思いますね。
④服装がスーツ
服装がスーツなのも少しイヤでした。
働き出すときは、別に服装なんてなんでもいいやと思っていたのですが、途中からは「これスーツの必要ある?」としか思えませんでした。
接客業とかなら服装がスーツのほうがいいと思いますが、エンジニアとして働く上でスーツって意味ないよなっておもっちゃったんですよね。
別に「絶対にいや」というわけではないんですが、他の会社だと私服のエンジニアもたくさんいるのに、客先に合わせてスーツを着るのはすこしめんどくさいなとは思ってしまいましたね。
⑤給料低い
SESは多重下請け構造(AさんがBさんに発注→BさんがCさんに発注、、、)という構造の最下層にいます。
つまり最初に発注された金よりもかなり低い値段で買い叩かれるというわけです。
もっと簡単に言えば給料が低くなります。
SESは給料が低くなりがちということは覚えておくといいです。
ちなみに自社開発企業に転職して年収は上がりました。
今ではフリーランスエンジニアとして月に60万円ほどもらっています。
【未経験からSESのエンジニアになって辛かったこと】
・裁量権がない
・やる気のないおじさんが多い
・成長できない
・スーツ
・給料が低い
未経験からSESのエンジニアになってよかったこと
よかったこととか1つもないんじゃないですか?
個人的には「自社開発」と「SES」を比べた時にやっぱり自社開発のほうが良いと感じてしまうだけで、SES自体はメチャクチャ悪いというわけでもなかったなと感じています。
SESにも良い点はありました。
①客先で出会った方が良い人だった
客先にはいやなおじさんもいましたが、中には良い人もいました。
とくにすこし年上の先輩にはランチを誘ってもらえたり、仕事を丁寧に教えてもらえました。
一緒に働きやすかったですし、技術的なスキルもおかげで身につけることができたので本当に感謝でいっぱいでした。
フリーランスエンジニアとして現場に入っていた方には、フリーランスとしての働き方や人間関係の構築の方法を教えてくれました。
未経験からエンジニアになったばかりの僕のことをバカにしないで、1人のエンジニアとして接してくれたのが嬉しかったです。
ちなみにSESを辞めた後でもつながりを持つことができています。
SESはいろんな人と出会いますが、人脈の拡大という意味ではメリットもありましたね。
②会社の人も良い人だった
客先の仕事内容にあんまり満足できなかっただけで、会社の雰囲気や福利厚生には満足していました。
仕事で困っていないかどうか、よく聞いてくれましたし、勉強のアドバイスもくれました。
③残業がとくになかった
残業がとくになかったのもよかったです。
(そもそも仕事があんまりなかった)
ただプログラミングと関係ないことを残業までふくめてやらされるよりは全然良かったかなと思います。
ただ、残業に関しても客先次第です。
あなたがSESのエンジニアになった場合、残業が多い客先に派遣されてしまうと、嫌でも残業することになってしまう可能性もあるので注意しておきましょう。
④エンジニア歴が増えた
SESとはいえエンジニアの実務経験にはなります。
自分の履歴書に「実務経験」という大きな実績が増えたのは本当によかったです。
実務経験が増えると、転職もしやすくなります。
僕はSESの実務経験を実績にして、自社開発企業に転職しました。
⑤未経験からでも入りやすかった
SESは未経験からでも入りやすいです。
自社開発を目指し続けてエンジニアになれないよりは、SESに入社しといてエンジニアになれたのはよかったなと思います。
それに、普通に開発経験も積むことができました。
開発の流れや、実装の方法を把握できたのもよかったです。
ちなみに、僕はテックアカデミーというスクールに通ってエンジニアになりました。
その時の話は以下が参考になるかと。
>>【悲惨?】テックアカデミーからSES企業に就職してみたよ【僕のリアルな体験談を教えます】
【悲惨?】テックアカデミーからSES企業に就職してみたよ【僕のリアルな体験談を教えます】
あなたテックアカデミーを受講してSESに就職するのってどうなのでしょうか? 今回はこのような疑問に答えていきます。 【この記事でわかること】 ✔ 僕がテックアカデミー受講後に ...
続きを見る
【未経験からSESのエンジニアになってよかったこと】
・客先で人脈が広がった
・自社の方も良い人だった
・残業がなかった
・エンジニアとしての実績は増えた
・未経験からでも入りやすかった
未経験からエンジニアを目指す場合はSESは後回し【自社開発にいこう】
SESには行かないほうがいいですか?
僕自身がSESと自社開発の両方を経験して感じたことが「自社開発もほうが絶対によかったな」ということです。
未経験からエンジニアになるときにSESは第一志望ではなくでOKです。
ぶっちゃけSESなら誰でも入社できます。
まずは自社開発を狙いましょう。
任せてもらえる範囲が一気に広くなった
SESをやめたあとに小さな自社開発企業に入りました。
そこでは、人数が少なかったので1人1人の担当範囲が広かったです。
そのため、任せてもらえる範囲も一気に増えました。
未経験からSESのエンジニアになったときは「裁量権がなさすぎる」と感じていた僕ですが自社開発に入ってそのように感じることはマジでなくなりました。
というか、最初は覚えることが多すぎて大変でした。
それでもその大変さは心地よかったです。
それまでは「もっとやりたいのにできない」という苦しさがあったのですが、それはまったくなくなりました。
本当に自社開発に入ってよかったです。
自由な働き方ができた
SESは客先に働き方を合わせないといけません。
そのため、自由な働き方をしにくかったです。
客先の規模がでかいと提案も難しいですからね。
しかし自社開発企業に転職してからはリモートワークなどの自由な働き方ができました。
ここ1年間はリモートワークでしか働いていません。
それに、働き方についても気軽に社長に提案することもできました。
SESだとこうもいかなかったので、自社開発にはいってよかったなと思いましたね。
今「こんな働き方をしたくない」と思っているかたは気持ちのままに転職してOKだと思いますよ。
居心地が良い
SESだとやっぱり客先の社員からすると「よそ者」なわけですよね。
わりと、そういう雰囲気に居心地の悪さを感じる方もいます。
僕はあんまりSESだからといって特別居心地が悪かったわけではないですが、それでも自社開発に入社してみると「あ、こっちのほうが居心地がいいな」と感じました。
毎日同じメンバーですしコミュニケーションもとりやすくなりました。
もし、あなたが居心地を大事にしたいタイプの方であれば自社開発企業に入ることを強くオススメしますよ。
【未経験からエンジニアを目指す方にSESより自社開発をオススメする理由】
・任せてもらえる範囲が広いので実力もつきやすい
・自由な働き方もしやすい
・居心地もいい
ちなみに自社開発にいきやすいプログラミングスクールのランキングを紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。
>>WEB系自社開発企業にいけるプログラミングスクールランキング【現役エンジニアおすすめ】
未経験からSESのエンジニアになることは悪いのか?
やっぱりSESって最悪なんですかね?
ここでは「SESは絶対な悪」と考えてしまっている方にむけて、別にそういうわけでもないよという話をします。
普通に現場経験はつむことができる
SESとはいえ、エンジニアには変わりません。
現場経験をつむことができます。
僕は客先で「テスト」「実装」といった工程を体験することができました。
エンジニアとして転職するときは、「未経験」と「経験アリ」からではハードルの高さが全然違います。
実務経験ありからの転職だと「ある程度は業界のことや働き方について知っているな」と思われるので転職しやすくなりますよ。
僕はSESでの現場経験を実績に、自社開発に転職しました。
大企業ならではの開発を経験できる
SESは基本的に大きい企業が派遣先になるのですが、そこでエンジニアとして開発できたのはよかったなと思います。
具体的に何が良いかと言うと、フリーランスエンジニアになったときに大きい企業に行く場合あらかじめ雰囲気がわかるんですよね。
フリーランスエンジニアを募集している企業はお金に余裕があるパターンも多いです。
そうなると必然的に大企業が多くなったりもします。
そういうときに大企業で働いた経験があるとわりとスムーズに現場に入ることができたりもします。
それに開発スタイルも色んなものを経験できるという意味ではSESにも入っておいてよかったなとは思います。
プログラミングもできる
SES時代も普通にプログラミングを使う実務がありました。
当時はJavaScriptを使った案件にいたのですが、そのときに基本を習得することができたのでよかったです。
覚えたスキルは次の職場でも普通に使えました。
・実務経験にはなる
・大企業で開発できる
・普通にプログラミングもできる
速攻転職するべきSES企業の特徴【未経験からエンジニアを目指す方必見】
何だか安心しました。
しかし中にはまったく経験を積むことができない企業もあります。
そういう企業に入っちゃった場合はすぐにやめたほうがいいですよ。
実はSESの中には「マジでやばいSES」もあります。
入ってしまった場合速攻で逃げるべきSES企業の特徴を紹介しますね。
書類まとめなど雑用ばかりさせられる
「エンジニアとして入社したのに書類の整理ばっかり」
「コピーしかしてない」
なんて状況の場合、あなたが勤めている企業はブラックSESです。今すぐ逃げましょう。
低賃金で雑用係を買い取っている気分なのでしょうね。
給料が上がることもまずないです。
少なくとも3ヶ月ぐらい、エンジニアとしては考えにくい業務(プログラミングをまったくしなかったり、仕様書を見たこともないとか)ばかりの場合は、それ以上その企業にいてもエンジニアとして成長できません。
速攻で転職しましょう。
エクセル職人になりそう
「業務のほとんどがエクセルです」という方もなるべくはやく転職したほうがいいですよ。
エクセルとかはできて損することはないですが、エンジニアのメイン業務ではないです。
エンジニアのメイン業務はあくまでも開発です。
開発が全くできない状態で、エクセルでファイルのまとめ作業とかばっかりやらされているようでしたらその企業にはあんまり長くいないほうがいいですよ。
テスター
エンジニアの中には「テストエンジニア」という種類のエンジニアもいます。
「テスター」とも呼ばれますね。
あなたが、テスターという仕事を気に入っているのならもちろん転職する必要はないです。
テスターも立派なエンジニアのうちです。
しかし、テスターの業務が嫌だと思っているのならばはやく転職したほうがいいですよ。
じゃないと一生テスターです。
テスターの最大のデメリットは「稼ぎにくい」ということです。
エンジニアになったからには稼ぎたいと思っているのならば現場を変えないとこのさきキツいですよ。
ただどれも普通の開発エンジニアよりは報酬は低くなります。
【こんなSES企業のエンジニアになってしまったら速攻で転職しましょう】
・書類まとめなどの雑用
・エクセルばかり
・テスター
ちなみにIT業界で転職先を探すときはウズキャリとかマイナビジョブがオススメですよ。
未経験からエンジニアを目指すときはSESに入ることも視野に入れつつ動こう【エンジニアになることができないのが1番よくない】
今回は、僕自身が未経験からSESエンジニアになったときの話をしました。
僕の話があなたの参考になれば幸いです。
最後に伝えたいことは「あんまりSESを悪く捉えすぎず前に進もう」ということです。
もちろん、自社開発に比べれば色々劣るところはありますが、未経験から1番なる可能性が高いのがSESのエンジニアです。
「もしかしたらSESのエンジニアになるかもしれない」と頭の片隅におきながらこれから前に進むといいと思います。
努力不足でSESとかいう言葉もあるがあまり気にしなくてOK
最近「努力不足で SESに入社してしまった」というツイートをして炎上してしまった女性がいました。
ぶっちゃけその通りっちゃそのとおりなんですけど、明らかにSESを見下した発言がよくなかったのかなと思います。
別にSESに入社するんだったら、その中でできることを頑張ってスキルを身に着けていけばいいじゃん?というのが個人的な見解です。
SESに進むことになったからって
「自分は努力不足だ」とか「もうダメだ」とか思う必要ないですよ。
僕だってSESからキャリアをスタートさせましたが、今ではフリーランスエンジニアとして月に60万円以上稼げるようになっていますからね。
途中で自社開発を目指せばOK
入社するのがSESでも、そこまで気にする必要はないと言いましたが、キャリアのどこかで自社開発企業に転職するべきだとは思います。
僕も途中から自社開発のエンジニアになりましたが、そのおかげでエンジニアとしてさらに成長することができました。
未経験から自社開発企業のエンジニアになるのはそこそこ難易度が高いですが、エンジニア経験がある状態で自社開発に行けばわりとすんなり就職できますよ。
自社開発企業にいけばスキルがアップするのは間違いないです。
とりあえずエンジニアになろう【こだわりすぎないこと】
SESからでも最終的にキャリアアップしていけば十分に稼げます。
しかし、そもそもエンジニアになることができないとキャリアアップなんてことも言ってられません。
たまに「この企業に行きたい」とか「絶対に自社開発企業じゃないと嫌だ」とか言ってエンジニアになかなかならない方がいますが、ある程度頑張って無理だったらSESでもいいからエンジニアになったほうがいいですよ。
エンジニアになることができれば、エンジニアとして経歴がつきますし、良い客先であれば普通に経験も積むことができます。
下手にこだわってエンジニアにならないと、どんどん先にエンジニアになったライバルたちとの距離が開いていきます。
エンジニアとして稼ぐには何よりも現場に出ることが大事です。
まずは現場にでていろんな知識をつけることを意識してみるといいと思いますよ。
今回は以上です。